社内にIT担当者がいない会社必見|パスワード管理方法と注意点

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社内にIT担当者がいない会社必見|パスワード管理方法と注意点

大手企業では、情報システム部門が設置されていたり、専任のIT担当者が社内に在籍していたりすることが一般的です。社内のパソコンやネットワーク、アカウント管理、セキュリティ対策などを専門部署が担当することで、安定したIT環境を維持することができます。
一方で、専任のIT担当者を雇用するには人件費の負担も小さくありません。社内SE(情報システム担当者)の平均年収は約500万〜600万円程度とされており、企業が1人を雇用する場合、社会保険料などを含めると年間で600万〜800万円程度のコストがかかるケースもあります。そのため、中小企業では専任のIT担当者を配置せず、社内でパソコンやITに詳しい社員が他の業務と兼務でIT管理を担当しているケースや、経営者自身がITトラブルに対応していることも少なくありません。

しかし、社内に専任の担当者が在籍していない企業では、社内の機密情報を守るうえで重要なパスワード管理のルールが明確に定められていないまま運用されているケースが多く見られます。このような状態でパスワード管理を行っていると、アカウントの不正利用や情報漏えいなどのセキュリティリスクにつながる恐れがあり、非常に危険です。

この記事では、社内にIT担当者がいない企業でも実践できる安全なパスワード管理方法と、管理時に気をつけるポイントについて分かりやすく解説します。

目次

  1. 不正ログインの主な原因はパスワード漏えい?近年の被害状況
  2. ランサムウェアの侵入経路にも悪用されるパスワード
  3. 中小企業でパスワードが突破されやすい理由とは
  4. 安全にパスワードを管理する方法と運用のポイント
  5. まとめ

不正ログインの主な原因はパスワード漏えい?近年の被害状況

まずは、近年増加している不正ログイン被害の状況と、その主な原因について解説します。

不正ログインに関する相談件数

IPA(情報処理推進機構)は、2025年8月に「情報セキュリティ安心相談窓口」に寄せられた不正ログインに関する相談状況を公表しました。それによると、これまでに寄せられた相談件数のうち、2025年7月の相談件数は144件と過去最多となっています。前年同月は27件だったため、約5倍以上増加しており、不正ログイン被害が急増していることが分かります。

参考元:IPA独立行政法人情報処理推進機構「インターネットサービスへの不正ログインによる被害が増加中」

情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられた相談件数のグラフ

基本的な不正ログインの手口

不正ログイン被害に遭う原因としては、主に以下の3つが挙げられます。

①パスワードが見破られる
自身の名前や誕生日、よく使われる単語など、推測されやすいパスワードを設定している場合、*総当たり攻撃や*辞書攻撃によって突破される可能性があります。

②特定のサービスからの情報漏えい
他のサービスから流出したIDやパスワードのリストを使い、ログインを試みるリスト攻撃によって突破される可能性があります。
特に、複数のサービスで同じパスワードを使いまわしている場合、1つのサービスから情報漏えいすると他のサービスにも不正ログインされるリスクが高まります。

③入力した情報を抜き取られる
*フィッシングメールなどに気づかず、偽サイトにIDやパスワードを入力してしまうと、情報が盗まれて不正ログインにつながる可能性があります。

ランサムウェアの侵入経路にも悪用されるパスワード

次に、毎年多くの被害をもたらすランサムウェア攻撃の侵入経路とパスワードの関係について解説します。

2026年3月に警察庁が発表したサイバー攻撃に関する調査によると、ランサムウェア攻撃の手口として、インターネット上に公開されている機器やシステムを狙い、外部から遠隔操作で社内ネットワークに侵入するケースが多くを占めていることが明らかになりました。さらに、実際に被害に遭った企業へのアンケート結果では、侵入経路の約6割をVPN機器が占めていることが分かりました。また、その原因として、「未修正の脆弱性」「漏えいした認証情報」「簡易なパスワード」「設定不備等」などが挙げられています。

このように、パスワードの管理体制が不十分な場合、外部からの不正アクセスを許してしまい、結果としてランサムウェアの侵入につながるリスクが高まります。

参考元:警察庁サイバー警察局「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」

ランサムウェア実行者のイメージ画像

中小企業でパスワードが突破されやすい理由とは

次に、中小企業でパスワードが突破されやすい理由について解説します。

多くの中小企業では、パスワード管理のルールや運用体制が十分に整理されておらず、知らないうちにセキュリティリスクの高い状態になっているケースも少なくありません。
特に、社内にIT担当者がいない企業では、以下のような管理状況に陥っていることがあります。

よくあるパスワード管理の問題

①管理方法の属人化
パスワード管理を任されているIT担当者がいない場合、管理が特定の従業員に依存し、属人化してしまうケースが多く見られます。その結果、パスワードをExcelやメモで管理していたり、退職者のアカウントが削除されずに放置されていたりするなど、セキュリティ上のリスクが高い状態になってしまうことがあります。

② パスワードの使い回し・単純化
複数のツールやサービスで同じパスワードを使い回していたり、社内で複数の従業員が同じパスワードを共有して使用していたりするケースも少なくありません。
また、名前やよく使われる単語など、推測されやすいパスワードを設定している場合もあり、セキュリティリスクが高い状態になっていることがあります。

③多要素認証(MFA)が未導入
万が一IDやパスワードが突破された場合でも、*多要素認証を設定していれば不正ログインを防げる可能性が高まります。そのため、多要素認証の導入は企業のセキュリティ対策の中でも非常に重要です。しかし、IT担当者がいない場合、必要性が十分に認識されておらず、導入が進んでいないケースも多く見られます。

④管理ルールが整備されていない
IT担当者が不在の場合、パスワードの設定ルールや管理方法、OSや各種ツールの定期的なアップデートといった、基本的なセキュリティ対策が社内で十分に認知・徹底されていないことがあります。
その結果、気づかないうちにセキュリティリスクが蓄積してしまう可能性があります。

これらの問題は、1つだけでもリスクとなりますが、複数重なることで不正ログインや情報漏えいにつながる可能性がさらに高まります。
特にIT担当者がいない企業では、これらを継続的に管理・改善していくことが難しく、対策が後回しになってしまうケースも少なくありません。

PC不具合により悩む女性社員

安全にパスワードを管理する方法と運用のポイント

最後に、中小企業が安全にパスワード管理・運用するための基本的なセキュリティ対策と実践時のポイント、課題について解説します。

不正ログインへの基本対策

①安全なパスワードを設定する
総当たり攻撃や辞書攻撃を受けないよう、第三者や機械的な処理で推測されにくいパスワードを設定する必要があります。
安全なパスワードの条件として、以下のようなポイントが挙げられます。

・大文字・小文字・記号を組み合わせる
・15文字以上、または設定可能な最大文字数にする
・よく使われる単語や個人情報を含めない

詳しいパスワードの設定方法については、以下の記事もご参照ください。

【パスワードの使いまわしは危険!】突破手口と対策
近年、複数のサービス間で同じパスワードを使いまわす傾向を利用したサイバー攻撃が増加しています。

②使い回しを禁止する
悪意ある第三者は、1つのサービスから取得したパスワードを使い、他のサービスへの不正ログインも試みます。そのため、パスワードの使い回しを禁止することで、万が一情報が漏えいした場合でも被害を最小限に抑えることができます。

③二段階認証(MFA)を設定する
万が一、IDやパスワードが第三者に知られてしまった場合でも、多要素認証を設定していれば不正ログインを防げる可能性が高まります。
ワンタイムパスワードや認証アプリ、顔認証などの異なる要素を組み合わせることで、セキュリティを大幅に強化することができます。

安全なパスワードの管理方法

①パスワード管理ツールを利用する
パスワードを付箋に書いてデバイスの近くに貼ったり、紙のメモを机の引き出しで管理したりする方法は、情報漏えいのリスクが高く、危険です。そのため、安心に管理する方法として有効なのは、「パスワード管理ツール」の導入です。
パスワード管理ツールを利用することで、以下のような管理が可能になります。

・複数のパスワードの一元管理
・複雑で安全なパスワードの生成
・ログイン時の入力補佐

こうした機能により、セキュリティ対策を効率的に強化することができます。
また、Excelなどでパスワードを管理している場合は、ファイル自体にパスワードを設定し、閲覧できる従業員を制限するなど、アクセス管理を徹底することが重要です。

②管理ルールを整備する
パスワード管理を安全に行うためには、社内全体で共通の管理ルールを整備し、徹底することが重要です。従業員がそれぞれパスワードを管理するのではなく、パスワード管理ツールなどを活用し、特定の担当者または管理責任者が一元的に管理する体制を構築しましょう
また、以下のような内容を定期的に確認することも重要です。

・安全性の高いパスワードが設定されているか
・パスワードの使い回しが行われていないか
・多要素認証が設定されているか

さらに、退職者が出た際には、速やかにアカウントを削除するなど、対応フローをあらかじめ決めておくことで管理漏れを防ぐことができます。

また、個人の意識に頼るのではなく、組織全体で基本ルールの徹底やパスワード管理を継続的に実施するために、パスワードポリシーを明確に設定し、運用することが重要です。

パスワード管理の運用が難しい理由|中小企業でよくある課題

①継続的な管理
たとえ安全な方法でパスワード管理を行っていたとしても、それを継続できなければ結果として脆弱性が生まれ、サイバー攻撃の被害に遭うリスクが高い状態になります。パスワード管理は一度設定すれば終わりではなく、アカウントの追加・削除や設定状況の確認など、継続的な運用が必要です。
そのため、社内にIT担当者がいない場合は、特定の担当者または管理責任者を決め、ルールを継続して運用できる管理体制を構築する必要があります。

②社員教育・ルール徹底
一部の従業員がパスワード管理に関するルールを守っていない場合、それは企業全体のセキュリティリスクにつながります。そのため、新入社員を含め、すべての従業員に対してルールを周知・徹底することが重要です。
また、時間の経過とともに認識が薄れることもあるため、定期的な研修や運用状況のチェックを行い、継続的に管理レベルを維持する必要があります。

③アカウント管理
企業では、社員の入社・異動・退職に伴い、アカウントの作成・削除や権限変更などの対応が必要になります。しかし、IT担当者がいない場合、これらの対応が後回しになってしまうことも少なくありません。その結果、退職者のアカウントや不要な権限が長期間放置される恐れがあり、不正ログインや情報漏えいのリスクが高まります。

IT担当者がいない企業のITサポート活用

パスワードやアカウントを安全に管理するには、継続的かつ適切に運用する必要があります。しかし、専任のIT担当者がいない企業では、担当者が他業務と兼務していることも多く、十分な対応が難しい場合があります。
そのため、自社での対応に課題を感じている中小企業には、パスワード管理やアカウント管理を外部で一元的に支援する「ITサポート」の活用がおすすめです。

ITサポートを外部に委託することで、専門知識を持つ業者による安全で継続的なパスワード管理が実現できます。さらに、社内で発生するPCトラブルなどもまとめて相談・対応してもらえるため、IT業務全体の標準化と負担軽減が期待できます。

商談しているイメージ画像

まとめ

以上、社内にIT担当者がいない企業でも実践できる安全なパスワード管理方法と、管理時に気をつけるポイントについて分かりやすく解説しました。

― 不正ログインの主な原因はパスワード漏えい?近年の被害状況
― ランサムウェアの侵入経路にも悪用されるパスワード
― 中小企業でパスワードが突破されやすい理由とは
― 安全にパスワードを管理する方法と運用のポイント

不正ログインや情報漏えいなどのサイバー攻撃から企業を守るためには、安全なパスワード管理は不可欠です。特に、自社にIT担当者がいない企業では、運用面での負担や管理の属人化が課題になりやすいため、この機会にITサポートの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

ソニックスでは、企業ごとの課題やニーズに応じて選べる3つのITサポートサービス「SONIX ONE」をご用意しています。自社にはどのようなサポートが必要か相談したい場合も含め、状況に応じたご提案を行っていますので、まずはお気軽にソニックスにお問い合わせください。

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