【Wi-Fiルーターの寿命】買い替えるべきタイミングを徹底解説

2022.08.22

Wi-Fi環境でパソコン操作する男性

職場・家庭問わず多くの場所で使用されているWi-Fiルーターですが、購入後は何年くらい使用してから新しい機種に変えるべきなのか、買い替えのタイミングが分からない人も多いのではないでしょうか。中には「Wi-Fiルーターを購入してしばらく経っているものの、機器が壊れているわけではないしまだ使用できる。」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、長年使用しているWi-Fiルーターは本体が機能している場合(通信へ接続できる)でも徐々に本体や内部の劣化が進み、通信速度が下がるなど使い勝手が悪くなります。

今回は快適にWi-Fiルーターを使用するためにWi-Fi寿命やその他買い替えるべきタイミングについて解説します。

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Wi-Fiルーターの本体寿命ってなに?

まず、Wi-Fiルーターの「本体寿命」について解説します。

本体寿命

本体寿命とはWi-Fiルーターの性能などの基準を省いた、本体の寿命の長さを指します。ルーターの本体寿命はおおよそ4,5年が目安とされていますが、Wi-Fiルーターの電源が入っている時間が長いほど本体の劣化は進みます。5年以上使用しているWi-Fiルーターは劣化が進み、これまでと同じ環境で使用しているにも関わらず、通信速度が遅くなったり接続状況が不安定になったりします。また、*通信規格が新しくなると新型機種と旧型機種の通信速度の差が一気に開き、使い勝手が悪くなります。そのためWi-Fiルーターは寿命を過ぎた後も長年使い続けていると購入した当初に比べ通信速度が低下していくだけでなく、『使用中に通信が途切れてしまうなど接続が不安定になる』『Wi-Fiルーターに繋がりにくくなる』『Wi-Fiルーターの電源自体が入らなくなる』などの寿命による不具合が生じている可能性が高いです。
機器が壊れるまで使用するのではなく、本体寿命とされている4,5年目安に定期的に買い替えることをおすすめします。

*通信規格
Wi-Fiルーター(無線通信)の通信に使用されている、通信速度・繋がりやすさ・障害物に強いなど特性が異なる6つの規格のこと。

頭を抱えてパソコン操作する女性

その他考えられる2つの寿命とは

Wi-Fiルーターには「本体寿命」以外に2つの寿命があります。
次に、Wi-Fiルーターの「規格寿命」と「セキュリティ寿命」について解説します。

規格寿命

規格寿命とはWi-Fiルーターの性能を基準とした寿命の長さを指しています。Wi-Fiルーター(無線通信)は規格が異なる6つの通信が使用されています。おおよそ2~6年程度の不定期な周期で新しい通信の規格が登場し、併せてWi-Fiルーターの性能もどんどん上がっていきます。そのため現在の規格よりも新しい規格が登場したタイミング=規格寿命と言われています。

セキュリティ寿命

Wi-Fiルーターは単に電波を使って通信しているわけではなく、通信内容のセキュリティ対策も行っています。通信の使用時は電波を経由してパソコンやスマホから個人情報や重要なデータを盗まれる危険性があるため、Wi-Fiルーターには通信内容を暗号化する機能が備わっています。暗号化方式はおおよそ2~5年程度の周期で更新されていますが、更新前の暗号化方式に対応している機器はセキュリティの防御力が弱まってしまうため、暗号化方式の更新のタイミング=セキュリティ寿命と言われています。

次に、Wi-Fiルーターの寿命が疑われる3つの症状について解説します。

Wi-Fi接続が途切れる・不安定

インターネットを利用している最中にWi-Fiルーターやネット接続が途切れる・つながりにくくなるなどの症状が発生し、「インターネットに接続されていません」といったメッセージが画面上に表示される場合はルーターの寿命を迎えている可能性があります。*モデムや*ONU・LANケーブル・パソコンなどその他の通信機器の故障や劣化、回線業者側の障害発生はなく、頻繁に途切れるようになった場合はWi-Fiルーターの買い替えをおすすめします。

通信速度が遅延する

Wi-Fiルーターは、本体劣化していくと徐々に通信即速度が低下していきます。アクセスが集中する夕方以降の時間帯など一時的な通信速度の低下ではなく、常に通信速度が遅い・回線に問題がない場合はWi-Fiルーターの寿命が原因の可能性が高いです。

電源が入らない

コンセントやLANケーブルなどの劣化や接触不良といった問題がなく、長年使用しているWi-Fiルーターの電源が入らなくなった場合、Wi-Fiルーターの寿命や故障が原因の可能性が高いです。Wi-Fiルーターにエラーが出ていない場合はWi-Fiルーターの買い替えをおすすめします。故障の有無はWi-Fiルーター本体に点滅しているランプの点滅速度や色の変化からエラーの状態を確認することができます。メーカーや機種によってランプの名称や役割が異なりますので、詳細は各メーカーHPをご参照ください。

< Wi-Fiのトラブルに関する記事はこちら >

本体寿命以外でWi-Fiルーターに不具合が出ている場合、簡単な方法で改善されるケースもあります。
次に、Wi-Fiルーターに不具合が発生した際にまず試すべき対処法についてご紹介します。

再起動する

一時的な不具合であれば再起動で直ることも多いため、不具合が発生した際には再起動を試してください。Wi-Fiルーターに電源スイッチがついている機種であれば電源スイッチをOFFしてから再度ONにし、電源スイッチがついていない機種であればコンセントを抜いてから再度差し込むことで再起動することができます。その際、ルーター内の熱を放出させるために電源を切ってから再起動するまで数分放置しておくことをおすすめします。

接続台数を減らす

Wi-Fiルーターに同時接続しているパソコンやスマホなどの端末台数が多すぎると機器に負担がかかり、トラブルが起きやすくなります。Wi-Fiルーターには1台に同時接続できる端末台数に制限があり、上限を超えた場合は接続できなくなりますが、最大接続台数を超えていない場合でも一定数を超えていると接続しづらくなります。機種によって最大接続台数が異なるため公式サイトや取扱説明書などから確認し、最大接続台数を超えている・最大接続台数に近い端末台数を接続している場合は、接続台数を減らしましょう。

ソフトウェアをアップデートする

Wi-Fiルーターの最新ソフトウェアはメーカーより定期的に提供されています。ソフトウェアを更新することで脆弱性・不具合が解消されるケースや通信処理が効率化し、速度・安定性が改善されるケースがあるため定期的なアップデートが必要です。多くのWi-Fiルーターには自動更新機能が備わっていますが更新に失敗するケースもあるため、最新のソフトウェアが適用されているか定期的に確認することをおすすめします。アップデート方法は管理画面上から簡単に実施できるものが多いですが、メーカーや機種によって操作方法が異なるため公式サイトや取扱説明書などから確認しましょう。

モデムやONUを確認する

通信速度が遅い・接続が不安定になる原因の一つがモデムやONU(光回線終端装置)の不具合です。モデムやONUの電源コードやLANケーブルの接続状態、ランプの点灯状態を確認しましょう。一時的な不具合であればモデムやONUの再起動で改善されるケースも多いため、まずは再起動を試すことをおすすめします。パソコンの電源が切れている状態で電源コードを抜き、数分経過してから電源コードを挿し直してください。

接続帯域を変える

Wi-Fiルーターで主に利用されている接続帯域は「2.4GHz」と「5GHz」です。それぞれ特徴や最大通信速度が異なるため、環境や使用状況に合わせてうまく使い分けることで通信が安定するケースがあります。現在利用している接続帯域を変えることで不具合が解消されるケースもあるため接続帯域の変更も有効な方法です。ネットワーク名の真ん中もしくは末尾に「A」が含まれている方が5GHzの帯域、「G」が含まれている方が2.4GHzの帯域です。

2.4GHzと5GHzの長所短所

寿命以外で買い替えるタイミング

次に、Wi-Fiルーターの寿命以外で買い替えの検討をすべきタイミングについて4つ解説します。

デバイス(パソコンやタブレットなど)の買い替え時

最新のパソコンやタブレットの多くは新規格の通信に対応しています。最大限に性能を発揮するためには「Wi-Fiルーターの通信速度」と「デバイスの最高速度」が高い中で使用する必要があります。そのため最新のデバイスと併せて新規格の通信に対応したWi-Fiルーターへの買い替えを検討しましょう。

接続するデバイス数が増えた時

Wi-Fiルーターに接続するデバイス数が増えると機器に負担がかかり、接続しづらくなることがあります。これはWi-Fiルーターの機種ごとに最大接続台数やデータ使用量が異なるためです。そのため接続するデバイス数が増加した際は最大接続台数に合ったWi-Fiルーターに買い替えを検討しましょう。

回線の乗り換え時

デバイスの買い替えと同様に、高速通信の回線に乗り換えた場合も新規格の通信に対応したWi-Fiルーターを使用していなければ最大限に性能を発揮できません。そのため回線と併せて買い替えを検討しましょう。

移転(引っ越し)する時

Wi-Fiルーターの機種が対応可能な広さの建物(間取り)で使用していない場合、電波がうまく届かず通信速度が遅い・接続が不安定になるといった不具合が生じる可能性があります。また、間取りだけでなく設置場所や建物の材質によっても電波の繋がりやすさが異なります。そのため移転先(引っ越し先)の環境に合ったWi-Fiルーターに買い替えを検討しましょう。

オフィスのイメージ画像

オフィス向けWi-Fiルーターを選ぶポイント

最後に、Wi-Fiルーターを買い替える際に役立つオフィス向けWi-Fiルーターを選ぶポイントについてご紹介します。

法人向けのWi-Fiルーターを選ぶ

Wi-Fiには家庭用Wi-Fiと法人用Wi-Fiがあります。家庭用Wi-Fiは法人用Wi-Fiに比べ同時接続できる最大接続台数が少なく、性質的に遠くまで十分に電波を飛ばすことができません。一方、法人用Wi-Fiであれば「特定の部屋だけ電波が弱く、不安定」といった心配はありません。遠くまで電波が飛び、受信感度に優れたアンテナが備わっているため快適にインターネットを利用できます。また、法人用Wi-Fiはセキュリティ性能が備わっています。設定によりインターネットにアクセスできるユーザーや閲覧できるウェブサイトをコントロールすることで、外部からの不正アクセスや社内データの情報漏えい等を防止することができます。

機種の性質

機器の最大接続台数ギリギリまで同時接続した場合、たとえ最大接続台数に収まっていても通信が遅い・快適にインターネットが利用できないと感じる可能性があるため注意が必要です。あらかじめオフィス内で利用する最大接続台数を確認した上で、最大接続台数に余裕のある機種を選びましょう。
その他、Wi-Fiを選択・設定する際に表示されるアクセスポイントを外部から見えなくさせる「*SSIDのステルス機能」や「来訪者が利用できるようゲストWi-Fi機能」が備わっている機種もおすすめです。

*SSID
無線LAN(Wi-Fi)のアクセスポイントを識別するための名前のこと。

快適に業務を行っているイメージ画像

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まとめ

以上、快適にWi-Fiルーターを使用するためにWi-Fi寿命やその他買い替えるべきタイミングについて解説しました。

― 本体寿命ってなに?
― その他2つの寿命とは
― 寿命以外で買い替えるタイミング

― オフィス向けWi-Fiルーターの選び方

職場などで寿命の過ぎたWi-Fiルーターを使用していたり機種の性能や推奨環境に合っていない状況で使用したりしている場合「通信が遅い」「接続が不安定になる」などの不具合が生じ、業務の作業効率が下がるだけでなく精神的にストレスを感じてしまいます。また、古い機種を使い続けているとセキュリティ面の防御力が弱まり、機密情報が盗まれる危険性も高まります。

今回ご紹介したWi-Fiルーターの『本体寿命』『規格寿命』『セキュリティ寿命』をしっかり把握し、それぞれの寿命が過ぎた過ぎたタイミングや移設、デバイス・回線の買い替え時など、Wi-Fiルーターを使用する環境が変化したタイミングで買い替えることを検討し、快適なネット環境を持続させましょう。


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