オフィス移転をする際は物件探しや電気工事、内装工事などさまざまな準備や手配が必要になります。
その中でも特に重要なネットネットワーク環境を構築するための作業は複雑なことも多く、トラブルの原因を突き止めることも難しいことから大きな課題としている企業も多いです。万が一、サーバーやネットワークの移設時にトラブルが生じた場合、業務に大きな影響を及ぼすことになります。
今回はオフィスのネットワーク移設の準備を円滑に進めるにあたり、事前に確認しておきたいポイント、サーバー移設手順やパソコンの再設定、ネットワークトラブルに関する注意点についてご紹介します。
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まず、オフィス移転が決定した際に準備すべきネットワーク周辺の作業についてご紹介します。
社内で使用しているサーバーは社内に機器を構えているものかレンタルしているものかによって準備作業の流れが異なるため、はじめに確認しておきましょう。
社内にサーバー機器を構えている場合、引っ越し作業の間はシャットダウンしなければならないため事前に社内全体に周知しておく・連絡頻度の高い取引先や顧客にメールで告知しておく必要があります。レンタルサーバーを利用している場合はレンタル業者に手続きを行う必要があります。そのため移設日程が決まり次第レンタル業者へ連絡し、移転先や日程を伝えた上で手続きを行いましょう。
ネットワーク回線の手続きは回線事業者とプロバイダーそれぞれの手続きが必要です。インターネット回線とプロバイダーの情報は契約書より確認することができます。インターネット回線は提供エリアが設定されているので移転先が範囲外の場合は回線を乗り換える必要があります。そのため移転先が現在利用している回線の対象エリアに入っているか事前に確認しておきましょう。
また、移転先で回線工事が必要になる場合は工事の予約待ちにより実施までに1ヶ月程度かかる可能性もあるため、早めに手続きを行いましょう。
回線自体を引っ越すことでルーターやパソコン、複合機などの周辺機器に再設定が必要になるケースがあります。事前に機器の種類や台数、設定時に必要となるパスワードなどを控えておきましょう。また、移転時に予想外のトラブルが発生してパソコンのデータが消失してしまう可能性はないとは言い切れません。万が一に備えて重要なデータは事前にバックアップを取得しておくことを推奨します。
移転先に合わせてLAN配線のレイアウトを設計する必要がありますが、移転先のオフィスコンセプトは現在のオフィスで挙げられている課題や問題点をまとめておくことでイメージが沸き、コンセプトを決めやすくなります。なお、今後業務が拡大し増員するケースも踏まえてトラフィック上問題ないようネットワーク設計しておくと安心です。
また、LANケーブルはタグや色にルールを設けておくことでトラブル時に対処しやすくなります。
次に、ネットワーク移設で事前に確認しておくべきポイントについてご紹介します。
オフィス移転では移転先の内装工事とこれまで借りていたオフィスの原状回復工事を行います。オフィス工事にはA工事、B工事、C工事と呼ばれる3つの区分があり、借主と貸主のどちらが工事費用を負担するのか、施工業者の選定や発注を行うのかを明確に表したものです。ネットワークの工事業者を借主が選定できるのはC工事のみとなります。
その他A工事、B工事、C工事はそれぞれ考え方や注意点などが異なるため、トラブルが発生しないよう必ず事前に工事区分を確認しましょう。
オフィスに設置する配線方法は床の種類によって異なります。「OAフロア」は床下に空間を作り、その空間に基盤となる配線を収納するため室内がスッキリします。また、社員の増員などで移動したい場合はOAフロアを外して簡単にケーブルを動かせるため、配線を再整備する手間を省くことができます。但し、近年のオフィスビルはOAフロアにすることを前提として設計されているので問題ありませんが古いオフィスビルは対応していない場合が多いため確認が必要です。「置床」は建物の床スラブとは別に、防振ゴムのついた支持脚で床パネルを支え、その上に木材などを使用した化粧床を張っているため遮音性と程よい弾力性があります。
その他、床ではなく天井に這わせる「天井配線」という配線方法もあります。移転先のオフィスではどの配線方法で設置できるのか確認しておきましょう。
移転先の建物にネット回線の整備が行われていない場合は開通工事が必要になりますが、引っ越しの繁忙期は予約が取りづらくなります。また、依頼する業者によっては通信環境の移設に対応していない・手配が遅れて移設後しばらくの間インターネットや電話が使えないなどのトラブルが起こる可能性があります。そのため移転先が決まり次第、できれば2ヶ月くらいの余裕をみての申し込みすることを推奨します。
サーバーには、自社サーバーとレンタルサーバーがあり、どちらのサーバーで運用しているかによって移設時の手順が異なります。
次に、サーバーを移設する際の手順についてそれぞれご紹介します。
自社環境でサーバーを管理する方法で、カスタマイズを自由に行うことができるため、特殊なシステムにも対応できます。
サーバーは引っ越ししている間、必ずシャットダウンさせる必要があります。そのため、オフィス移設する日程が決定したら早い段階で自社のHPに移設に関するお知らせを掲載する・取引先や顧客にメール等で告知しましょう。
そして、移転当日は引っ越しする直前にサーバーをシャットダウンさせて移送し、移転先のオフィスに到着次第再起動してください。
専門業者がサーバーを管理する方法で、機器を購入する必要がないため導入費用も安く、契約後すぐに利用することができます。
移転後も導入しているサーバーを利用する場合、オフィス移設する日程が決定したら早い段階でレンタル元の業者に連絡し、移転の期日や移転先の住所といった情報を知らせましょう。
移転後にサーバーのレンタル元を乗り換える場合、移転前に新しいレンタルサーバーのサービスを開始し、事前にHPやメールアドレスの設定を行いましょう。そして、移転当日に旧サーバーから新サーバーへ読み取り先を変更させて旧サーバーの契約を解約してください。
次に、オフィス移設後にパソコンの再設定が必要になるケースについてご紹介します。
ルーターを変更した場合、複合機とパソコンに新しいIPアドレスが振り分けられるため通信できなくなるケースがあります。複合機のIPアドレスを再設定した後、パソコンの設定から複合機の接続設定を追加しましょう。
パソコンを増設した場合、各パソコンごとに複合機の再設定を行いましょう。
FAX番号が変更になった場合、複合機の設定よりFAXの配信元を再設定しますが、場合によっては機器に紐づいているパソコンも再設定する必要があります。
パソコンの再設定は機種やバージョンによって設定方法が異なっているケースがある・変更場所が分からず別の設定を変更しまうなどトラブルが発生する可能性があるため、社内の情報システム担当者や専門業者と一緒に作業することをおすすめします。
次に、オフィス移転時におこりやすいネットワークトラブルについてご紹介します。
LANケーブルの配線ミス・社内ネットワークのIPアドレスがきちんと設定できていない・データセンターと通信ができないなど移転直後はさまざまなネットワークトラブルが起こりやすいです。中でも業務内容が複雑化している企業は接続トラブルの発生率が高く、仮にネットワークトラブルが起こると移転後にPCが使えず業務に支障をきたします。
移転する際は限られた期間の中で通常業務を行いながら複数業者と連絡を取りスケジュールを組まなければなりません。移転先で使う予定の回線が対象エリア内かの確認を含め、回線事業者への問い合わせが移転間近になってしまった場合、工事の予約や機器の納品までに時間がかかりスケジュールが押してしまうケースがあります。
また、もしインターネット回線と電話回線がセットになったプランを契約している場合、インターネット回線を切り替えたところ電話が繋がらなくなったというトラブルが起こるケースもあります。
移転にあたり、綿密に準備したとしても移転後にネットワーク機器が正常に動作しなくなる・頻繁にブレーカーが落ちてしまうなど、何かしらのトラブルが起こる可能性があります。もし社内に情報システム担当者が在籍していない場合はトラブル発生後に対応できる業者を探さなければいけないため、原因を解消するまでに時間がかかります。
その他のトラブルでは、見積もりだけで業者選定をしたところ移転後のアフターサービスやメンテナンスの対応が悪い・オフィスのレイアウトを細かく検討しなかったために移設前よりも使い勝手が悪くなったなど、移設後はさまざまな問題が浮き彫りになるケースがあります。
最後に、移転後のネットワークを回避するためのポイントについてご紹介します。
移転作業を行う中でPCの内部データやハードディスクが破損してしまう可能性も考えられます。実際にデータに関するトラブルは珍しいことではありません。引っ越し作業中に発生したハードディスクの破損に関しては補償も見込めますが、内部データの破損は通常保証されていません。そのため、サーバー内のシステムやデータベース、各パソコンに保存されているファイルなど重要なデータは全て事前にバックアップを取っておきましょう。また、万が一の事態に備えてデータの復元方法を社内に共有しておきましょう。
ネットワークの移設によりIPアドレスが変更された場合、担当者のみで全パソコンの再設定を対応するのではなく、あらかじめ設定手順などが記載されたマニュアルを作成して社員に配布しておくことで社員自ら作業することができます。ただし、マニュアルがあってもうまく設定できない・その他トラブルが生じる可能性もあるため、すぐに対応できるようネットワーク周りの担当者を決めておくことをおすすめします。
オフィスの移転はネットワーク移設・レイアウト変更・内装工事・ビジネスフォンやLANの配線工事などさまざまな作業があり、それぞれ別々の業者に依頼するとスケジュールや業者連絡先の管理が大変です。そのためワンストップで対応している専門業者にまとめて依頼することをおすすめします。一つの専門業者に依頼することで漏れなく円滑に移転作業を進めることができます。
また、ワンストップで対応している専門業者は移転時に発生しやすいトラブルや対策などを熟知しており、万が一トラブルが起きても迅速に対応してくれるため安心です。
以上、オフィスのネットワーク移設の準備を進めるにあたり、事前に確認しておきたいポイント、サーバー移設手順やパソコンの再設定、ネットワークトラブルに関する注意点についてご紹介しました。
― ネットワーク周辺の準備
― ネットワーク移設・事前に確認すべきポイント
― 移転時に起こりやすいネットワークトラブル
― ネットワークトラブルを回避するためのポイント
今回はオフィス移転の中のネットワーク移設のポイントと注意点をご紹介しましたが、移転時にはレイアウト変更・内装工事・ビジネスフォン・LANの配線工事などさまざまな準備作業が必要になります。特に社内に情報システム担当者が在籍していない・少人数しかいない場合は準備作業や複数の業者とスケジュール管理、トラブルが発生した際の対応など非常に負担が大きいです。
実際にオフィス移転の際には担当者は一人当たり平均320時間という莫大な時間と労力が必要だと言われています。トラブルを回避するためにもオフィス移転をワンストップで対応している専門業者にまとめて依頼することをおすすめします。移転業務をまとめて対応できる業者を探すことでコスト削減が見込めるだけでなく、移転後にトラブルが発生した際もすぐに専門業者に問い合わせることができるので安心です。
ソニックスではオフィス移転に伴うさまざまな工事や作業をワンストップで対応しています。オフィス移転でお困りのこと・ご不明点等ありましたら、まずはお気軽にソニックスにお問い合わせください。
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