クリックで検索窓表示

【分かりにくいOA機器の見積書・提案書・請求書】判断基準や注意点を解説

2025.01.21

請求書・見積書

OA機器の導入や入替え、配線工事などを検討する際は『契約中の業者に見積りを依頼する』『新規の業者に見積もりを依頼する』『数社に相見積もりを依頼する』パターンがあります。検討するうえで直面しやすい問題の一つに見積書や提案書の構成・項目が分かりにくく、内容がいまいち理解できないことがあげられます。
しかし、合計金額のみを比較して業者選定してしまうと、請求書に認識のないサービス名が記載されている・毎月よく分からないサービス料を支払い続けることになる危険性が伴います。

実際、ソニックスにセカンドオピニオンとして契約の見直しをご相談下さる企業様の中には、請求書に契約した認識のないサービス名が記載されていたり一般的な相場よりも高額なサービス料が請求されていたりするケースを多々拝見します。

今回はOA機器業界の見積書・提案書・請求書が分かりにくい理由や提案書の事例、見積書・提案書・請求書の内容を読み解く上で注意すべきポイントについて徹底解説します。

まず、OA機器業界見積書・提案書・請求書が分かりにくい理由について解説します。

見積書・提案書が分かりにくい理由

OA機器の見積書・提案書・請求書が分かりにくいと言われる大きな原因は2つあります。

1つ目はサービス名やOA機器の品名にカタカナ語やアルファベットが羅列されており、一見では記載されているサービスや商品が何なのか・なぜ必要なのか理解できないことです。そのため、見積書や提案書を見ても判断しづらい・契約したものの毎月何に支払っているのか分からないといったケースに陥りやすいです。

2つ目は業者によって見積書・提案書・請求書の構成やサービス・商品の価格や表記方法(複数の項目を一括りで記載するなど)が異なることです。特にサービスや保守サポートは業者によって対象範囲が異なるため、適正な価格であるか判断しづらいです。

悩んでいる女性

業者によって請求書の構成は異なるものの、OA機器の請求書に記載されている一般的なランニングコストの項目について把握しておくことは重要です。
次に、OA機器業界の請求書に記載されているランニングコストの項目について、具体例をご紹介します。

複合機にまつわるランニングコスト

① 複合機のリース料金 … 月額で支払うリース料はリース期間によって異なります。
② 保守料金 … 複合機の保守契約は「カウンター料金」や「パフォーマンスチャージ」など、メーカーによって名称が異なります。
③ 消耗品費 … トナー代などの消耗品。 

インターネットにまつわるランニングコスト

① 光回線の利用料 … サービス名は「〇〇光」や「〇〇ひかり」などと明記されていることが多いです。
② プロバイダーの利用料 … サービス名は「OCN」「ISP」などと明記されていることが多いです。

ビジネスフォンにまつわるランニングコスト

① ビジネスフォンのリース料金 … 月額で支払うリース料はリース期間によって異なります。
② ひかり電話の利用料 … 基本料金(基本料、付加機能使用料など)と通話料の合計金額。
③ 保守料金 … 業者によってサポート内容は異なります。

パソコンにまつわるランニングコスト

① パソコン保守 … 業者によってサポート内容は異なります。

ネットワークにまつわるランニングコスト

① サーバー保守 … 業者によってサポート内容は異なります。
② ネットワーク保守 … ルーター周りなどの保守サービスのことです。業者によってサポート内容は異なります。

セキュリティ機器にまつわるランニングコスト

① セキュリティ機器のリース料金 … UTMなどの自社で所有するセキュリティ機器の代金です。月額で支払うリース料はリースの契約年数によって異なります。
② セキュリティ機器の保守 … 業者によってサポート内容は異なります。

その他ソフトウェアにまつわるランニングコスト

① ソフトウェアの導入費用 … 勤怠管理や会計ソフトなどのソフトウェアの初期費用。
② ソフトウェアの利用料

今回、OA機器のランニングコストについて具体例をご紹介しましたが、その他サービスによってさまざまな項目が存在します。また、メーカーや業者によって名称が異なるケースもあるため、自社の請求書に不明瞭な項目がある場合は必ず確認しておきましょう。

< OA機器の関連記事はこちら >

次に、実際に他社で提案されていた資料を基に、提案書や見積書を確認する際に注意すべきポイントについて、それぞれ解説します。

提案書の事例

本件は契約中の複合機と回線の乗り換えについて3パターンの提案がありました。提案書では『1.現状のランニングコスト』『2.回線のみ入替えた場合のランニングコスト』『3.複合機と回線をまとめて入替えた場合のランニングコスト』を比較していました。
※下記、比較表は提案書の資料を基に作成しております。

提案書の事例

【 ポイント① グレードと価格が適正ではない 】

複合機のリース料金が適正価格であるかを見極めるポイントとして、どのような条件で金額が算出されているかを確認することが重要です。

今回のセカンドオピニオンによって、平均相場よりも高額なリース金額で契約していたことが判明しました。
提案書では、使用している複合機(分速22枚機の機種)をリース期間6年・月額16,000円で契約していました。しかし、料率やタイミングによって異なるものの、同様のスペックで契約した場合の月額はリース期間5年で月額12,000〜13,000円、リース期間6年で10,000円程度が平均相場です。

< 確認すべき条件 >
・リース期間
一般的に減価償却やメーカー保障に合わせて5年程度の期間が採用されることが多いです。中にはリース期間を平均よりも長い期間(6年や7年)に設定することで月額料金を安く見せているケースもあるため、必ずトータル金額を確認しましょう。
・オプション
FAX機能やスキャン機能、ADF(自動原稿送り装置)など、オプション機能を追加することで追加料金が発生します。
・残債
現在使用している複合機がリース満了前の場合、リース残債(リース契約期間に支払いが終わっていない金額)がどのくらい上乗せされているかを確認しましょう。
・解約手続き
複合機を入替える場合、解約手続きも同時進行する段取りになっているかを確認しておきましょう。リース料金が安いからと契約したものの、入替え前の複合機が解約されておらず、リース料金を二重で支払っているケースも稀にあります。

【 ポイント② 架空の保守契約 】

複合機のカウンター保守では、モノクロ・カラーそれぞれの1枚あたりの単価と基本料金(最低料金)が決まっています。モノクロとカラーを合算した料金(モノクロ印刷枚数×モノクロ単価+カラー印刷枚数×カラー単価)が基本料金を下回った場合は基本料金が請求され、基本料金を上回った場合はモノクロとカラーを合算した料金が請求されます。

今回のセカンドオピニオンによって、もともと請求のない架空の保守料金を記載することで1円も値引きはしていないものの、トータルコストが下がったように見せかけた提案内容であることが判明しました。
本来、カウンター保守料金の19,632円(1,632円+18,000円)もしくは保守料金(基本料金)の7,000円どちらかが請求されるはずですが、提案書には保守料金が重複して記載されています。つまり、現状のトータルコストには保守料金とカウンター保守料金の2つを記載し、入替後のトータルコストにはカウンター保守のみを記載することで本来請求されていない基本料金分が値引きされているように見せています。実際に提案を受けた企業様にお話を伺ったところ、カウンター保守は毎月請求があるものの保守料金は一度も請求されていませんでした。

見積書の事例

見積書の構成や表記方法、記載の有無は業者によって異なりますが、見積書を読み解くうえで確認しておくべきポイントを4つご紹介します。
※下記見積書は、複数の見積書の構成を基に作成しております。

見積書のイメージ画像

< チェックすべきポイント >

① リース期間 … リースが何年契約になっているか確認しましょう。
② 搬入設定費 … 引き上げ作業・リース会社への返却作業・階段作業などが含まれているか確認しましょう。
③ 保守 … 保守料金(カウンター保守の場合は基本料金とモノクロ・カラーの単価)、保守期間、保守に含まれるサービス(トナー代・出張費・部品代など)について確認しましょう。
④ 残債 … リースの残債がいくら残っているのか確認しましょう。

最後に、見積書・提案書・請求書の内容を読み解く上で注意すべきポイントについて解説します。

リース期間・リース料率

OA機器の一般的なリース期間は「複合機では5年間」、故障頻度が少ない「ビジネスフォンでは7年間」、「UTMでは5,6年間」など、法定耐用年数や減価償却を考慮した期間で設定されるケースが多いですが、3~7年の間でリース期間を自由に設定することができます。ただし、UTMはライセンスが切れてしまうと最新のマルウェア情報が更新されないなど、セキュリティ機能が無効になってしまうため、必ずUTMのリース期間とライセンスの有効期限は合わせた期間に設定しましょう。

また、リース期間は自由に設定することができますが、下記例のようにランニングコストを安く見せるためにリース期間を長く設定している業者もいるため注意する必要があります。

旧契約と新契約の比較表

一見、新契約の方がランニングコストが下がり、コスト削減できているように感じますが、本体価格を確認すると新契約よりも旧契約の本体価格の方が144,000円安いです。このように前回よりも長いリース期間に設定することでコスト削減できているように見せている提案書も多いため、必ずリース期間と本体価格を確認した上で適正価格か判断しましょう。

また、リース料率はリース契約の対象となる機器の価格やリース期間・審査結果・業績などに応じて変動するため、リース料率が適正であるか・何%で計算されているのかについても確認しておきましょう。

残債・適正な入替え時期

使用しているOA機器のリース期間が残っている状態で機器を入替える場合、新たに契約したリース料とこれまで使用していた機器の残債をリース期間で分割した金額が入替え後のランニングコストになります。そのため、基本的にリース期間が終わるタイミングや残債が少ないタイミングで機器を入替えますが、中にはリース期間が多く残っている状態であっても機器の入替えを進めてくる業者がいます。
また、多額の残債を値引いているかのように見せかけて別のサービス料に金額を上乗せして請求しているケースもあるため、十分に注意する必要があります。

自社に適したスペックの機種

会社規模・社内環境や使用頻度・用途は企業毎に異なります。また、OA機器の性質も複合機であれば「印刷速度・画質・機能」、ルーターであれば「通信速度・最大接続台数・機能・セキュリティ」など機種毎に異なります。しかし、自社に適していないスペックの低い機器を導入してしまうと「快適に利用できず非効率になる」「インターネットが繋がらない・遅い」など業務に支障をきたします。反対にオーバースペックの機器を導入することで必要以上に高額な機器代を支払うことになります。

中には企業に適していないスペックの機器を勧めてくる業者も多々存在するため、機器の選定時には必ず自社に適したスペックの機種かを確認しましょう。

解説する女性

業者によって見積書・提案書・請求書の構成やサービス・保守内容は異なり、必要以上に値引きが入っている場合は「不要なサービスを追加している・別のサービスに料金を上乗せしている」など、結果的に不要なコストが発生していたり解約しづらい契約になってたりするケースもあります。
多くの企業様では自社の契約内容を基準としているため、現在の契約や提案されているサービス内容・価格が適正かどうかを判断することは非常に困難です。

ソニックスでは現在契約しているサービスの見直しや提案内容に対するセカンドオピニオンサービスを行っています。
「毎月の請求書によく分からないサービスが含まれているが、本当に必要なのか不安だ」「現在のランニングコストが適正か知りたい」など、少しでも現在の契約内容や提案内容に不安を感じられている企業様は、お気軽にソニックスまでお問い合わせください。


社内LAN・Wi-Fi環境無料診断のバナー
メルマガ新規登録の案内バナー
一覧に戻る