【固定電話は持つべき?】メリット・デメリットを解説

2023.02.21

ビジネスフォン

近年では携帯電話の普及や働き方改革の影響により、以前に比べ固定電話を使用する機会が少なくなりました。さらに便利なコミュニケーションツールが増えているため、仮に固定電話がなくても会社の設立や経営をすることが可能になりました。そのため「会社の固定電話は廃止にし、電話はすべて携帯電話のみで対応したい」と検討している企業も増えています。しかし、卸業者や大手業者の中では契約前に信用できる会社の見極めとして固定電話が設置されているかを判断材料にしている企業も存在するため、固定電話がないことによって取引できない可能性があります。また、取引先との受発注のやり取りにFAXが必要など円滑に業務を行えないケースもあり、固定電話は絶対に必要のない設備とは言い切れません。
今回は企業が固定電話を持つことで感じるメリット・デメリット、固定電話番号を持つ企業のさまざまな働き方についてご紹介します。

固定電話による企業イメージ

まず、固定電話番号がどれほど企業のイメージに影響しているのかについてご紹介します。

日本では昔から「固定電話を持っている会社は信用できる」「会社は固定電話番号を取得するもの」という根強い風潮があり、実際に会社の固定電話を廃止したことで取引先から解約を言い渡された企業も存在します。固定電話は住所と紐づけされていることが多く、固定電話を持っている企業=実在する企業であることを証明することができます。また、さまざまな手続きを行った後に設置作業を行っていることなどもしっかり事業を行っている会社である証明に繋がります。何より設置場所が不要な携帯電話などの「移動電話」とは異なり、一定の場所に固定する必要がある「固定電話」を持つ企業はオフィスを構えて事業を行っていることや従業員が常駐している企業というイメージが沸きやすいため顧客・取引先からの信頼性が高いと考えられています。このように会社の電話番号によって企業に抱くイメージが大きく左右されるため固定電話の存在を軽視することはできません。

電話対応する女性

固定電話を持つデメリット

次に、企業が固定電話を持つことで感じるデメリットについてご紹介します。

導入コスト・維持コストがかかる

固定電話を導入するにあたりビジネスフォンやPBX(機内交換機)設備、オフィスに設置するための電話回線・接続工事費といった導入コストや保守契約など維持するためのランニングコスト、通話料が発生します。

電話対応のために出社する必要がある

固定電話はアナログ回線が繋がった電話機のある場所でしか電話を受けられないため、オフィスに出社する必要があります。そのため、近年流行している新型コロナウィルスの影響を受けテレワーク(在宅勤務)を導入している企業も電話対応のために1名以上の従業員を常駐させる必要があります。

営業電話がかかってくる

固定電話にかかってくる営業電話はホームページに掲載されている情報や個人情報提供会社より流出された情報などから会社の固定電話を入手できるため営業電話をかけるハードルが低く、かかってくる頻度が高いです。

固定電話を持つメリット

次に、企業が固定電話を持つことで感じるメリットについてご紹介します。

会社や店舗の信頼度が上がる

固定電話を持つことで顧客や取引先の安心感につながり、信頼度を上げることができます。前述のように日本の風潮として「固定電話番号を持っている会社や店舗は信頼できる」というイメージがあります。そのためホームページ上の問い合わせ先に携帯電話番号が記載されている企業は「本当に実在する会社か・突然連絡が取れなくなるのではないか」という印象をもたれる可能性がありますが、固定電話番号が掲載されている企業は実在する会社という証明になるだけではく、オフィスに社員が常駐していることをアピールすることができます。また、固定電話番号の中でも市外局番から始まる番号を使用することで、より会社や店舗の信頼度を上げることができます。

法人登記の変更手続き

会社や店舗を起業・開業をする際に必ず手続きする法人登記は、たくさんの必要書類を揃えなければならないため手間がかかります。また、登記上に携帯電話やIP電話の番号を登録することも認められていますが、紛失や諸事情により番号が変更した場合はオンライン上で登記登録の手続きは行えず、申請費用も発生します。しかし、番号を変更する可能性が低い固定電話番号を登録しておくことで無駄な手間や費用がかかる心配もないため、一般的には固定電話番号を登記しているケースが多いです。

銀行口座の開設・融資の受けやすさ

メガバンクを含めほとんどの地方銀行が法人用の銀行口座を開設する際に固定電話番号を必須条件としています。また、事業用資金の融資を受ける際に固定電話番号がないと審査が通りにくい場合もあるため、ビジネスの現場では固定電話番号を使用しているかどうかが社会的信頼に大きく関わっています。

FAXを安価に利用できる

以前に比べ、ペーパーレス化が進んではいるものの取引先との受発注のやり取りなどにFAXを利用している会社は多いです。インターネット回線を通じてパソコンやスマートフォンの電子メールからFAXを送受信できるインターネットFAXというサービスはありますが割高になるケースが多いです。一方、固定電話を設置している場合は安価にFAXを利用することができます。

プライベートとの切り分け

固定電話を廃止し携帯電話で電話対応している場合、すべての問い合わせを携帯電話で受けることになります。不特定多数の顧客や取引先から電話がかかってくるため、都度業務を一時中断して対応する必要があり作業効率が悪くなります。また、業務時間外でも電話がかかってくる可能性があるため会社より社用携帯を支給されている場合でも仕事とプライベートの切り分けが難しくなります。

災害時の繋がりやすさ

地震や台風などの災害時は安否確認や被災地での対処法の確認で電話をかける人が殺到するため回線が混み合い、なかなか繋がりません。固定電話も回線が集中することで繋がりにくくなりますが災害時でも携帯電話よりも繋がりやすい傾向にあると言われています。中にはFAXやナンバーディスプレイなどの機能がない通話機能のみの固定電話があり、電話回線のわずかな電力回線で稼働しているため災害時でも回線が切断されていなければ停電中も通話が可能な機種もあります。

固定電話を持つ企業の働き方

会社に固定電話を設置していることでさまざまなメリット・デメリットがありますが、近年では固定電話番号を持つ企業の働き方も多様化しています。最後に、固定電話番号を持つ企業の働き方についてご紹介します。

電話代行サービス

固定電話に着信が入ると業務委託した電話代行サービスの業者が代理で電話対応してくれるサービスです。電話代行は業者に転送される仕組みのため、固定電話番号を維持して利用することができます。また、受電した内容はメールなどで情報共有されるため、必要な場合のみ折り返すといった対応の切り分けもできます。

転送サービス

固定電話に着信が入ると事前に転送先に登録してある従業員の携帯電話番号に転送されるサービスです。オフィスなど勤務場所に縛られることなく電話対応することができます。

クラウドPBX

固定電話とクラウド上のPBX(構内交換機)を繋ぎ、内線と外線をコントロールするサービスです。インターネット回線を使用しているためネット環境があればオフィスなど勤務場所に縛られることなく電話対応することができます。また、固定電話番号と携帯電話番号以外にも事務所の所在地に縛られることなくフリーダイヤル(0120)や東京(03)・大阪(06)から始まる番号を持つこともできます。

ビジネスフォンの機能

現在ご利用のビジネスフォンにスマートフォン連動機能がある場合、会社の固定電話番号を利用して社外から発着信することが可能です。ビジネスフォンのメーカーによっては追加の月額料金が発生することなく利用できる場合があります。

まとめ

以上、企業が固定電話を持つことで感じるメリット・デメリット、固定電話番号を持つ企業のさまざまな働き方についてご紹介します。

― 固定電話による企業イメージ
― 固定電話を持つデメリット
― 固定電話を持つメリット
― 固定電話を持つ企業の働き方

近年では新型コロナウィルスの影響もあり、以前に増して固定電話の対応を含む働き方が大きく見直されるようになりました。また、固定電話の代わりとなるサービスやコミュニケーションツールも増え、企業の働き方が多様化しました。しかし、前述のように市外局番付きの固定電話番号が持つ社会的信頼への影響力は大きく、会社の信用を高めるために固定電話が必要です。そのため、もし固定電話を持つことにデメリットを感じ廃止を検討している場合は固定電話を廃止するのではなく、クラウドPBXなど固定電話番号を維持した状態で利用できるサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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