【具体的に何をすればいいの?】業務効率化のために押さえておきたいポイント・ツール選定のポイント

2022.03.17

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業務を行う中で多くのデータ入力作業や残業が生じる背景には、日々行っている業務に「ムリ」「ムダ」「ムラ」が潜んでいる可能性があります。また、今後はさらに労働力人口の低下による人手不足が問題視され、今以上に生産性の向上を求められることが予想されます。そのため、昨今多くの企業が業務効率化を大きな課題の一つに挙げています。日々の業務を効率化させることで「ムリ」「ムダ」「ムラ」が排除されるため、多大な時間・労力の減少や人件費・コストが削減されます。さらに他の業務の質が上がり、より良い製品・サービス提供が期待できます。
今回は、業務効率化を進めるために押さえておきたいポイントや方法、業務効率化ツールの選び方についてご紹介します。

業務効率化とは

まず、業務効率化とはどういうものか、業務効率化が求められるようになった背景についてご紹介します。

業務効率化とは

業務効率化とは業務プロセスにある「ムリ」「ムラ」「ムダ」を見つけて排除することで、リソースの投下量を減らし「限られた時間と人材」の中で効率よく生産性を作り出す取り組みのことです。業務効率化に成功すると人件費やコストの削減、品質の向上が期待できるだけでなく、ムダな残業時間が減るため離職率の低下に繋がります。

業務効率化が求められる背景

近年、多くの企業が業務効率化を重要視するようになりましたが、業務効率化が求められるようになった背景には大きく分けて3つ理由があります。

1. 労働人口の減少
1つ目の理由は、少子高齢化により労働人口が減少したことです。人材が不足している中で企業が競合に勝ち抜くためには、利益率を保ちながら利益を向上させる必要があります。特に、将来の労働人口を決める出生率に改善傾向が見られない日本では今後さらに人材不足の深刻化が予想されています。総務省が公表している2021年の労働力調査によると、日本の15歳から64歳までの労働人口は2019年から減少を続けており、2021年は前年に比べて15万人も減少していました。現在の出生率が続く場合、多くの産業は事業の継続が困難な状態に陥ります。労働人口が不足する中でも業務の生産性を下げないために業務を効率化させて人手不足をカバーする必要があります。

2. ワークライフバランス
2つ目の理由は、働き方改革が推進し、ワークライフバランスを重視した働き方が推奨されるようになったことです。ワークライフバランスが実現すると残業時間の削減や働く場所が自由化されるなど、労働に対する負担が軽減されます。仕事と生活をうまく両立することで従業員の仕事に対するモチベーションが上がり、相乗効果が期待できます。このワークライフバランスを実現させる手段として業務効率化が求められています。

3. 労働生産性の低さ
3つ目の理由は、労働生産性(労働者1人あたり、あるいは1時間にどれだけの生産物を生み出せるのか、効率性の高さを判断する指標)が低いことです。特に世界の労働生産性に比べ、日本の労働生産性の低さは目立っています。OECDの調査によると、日本の1時間あたりの労働生産性は49.9ドルで、OECD加盟している主要先進国38ヵ国中27位でした。また、1人当たりの労働生産性は81,510ドルで、1970年以降で最も低い29位に落ち込んでいます。(出典:『労働生産性の国際比較2022』公益財団法人日本生産性本部)労働生産性の算出には労働時間が大きく関わっています。日本の労働生産性の低さは、働き方改革の推進により残業時間の上限規制が設けられるようになったものの長時間労働が常態化していることなどが原因になっていると言われています。その一方、生産物を生み出すためには多くの労働力や時間が必要になるため、業務の効率化が求められています。

パソコンを確認しているビジネスマン

業務効率化のメリットと課題

次に、業務効率化によるメリットと業務効率化を進めるうえで生じる課題についてご紹介します。

業務効率化のメリット

【 労働時間の削減】
作業の「ムリ・ムラ・ムダ」を改善することで作業時間が削減され、残業時間の削減に繋がります。また、残業時間にかかる人件費も削減することができます。

【 従業員のモチベーション向上・離職率の抑制 】
労働時間の短縮や働きやすい環境づくりは従業員のモチベーション向上に直結し、従業員の満足度や社員定着率の向上への効果も期待できます。また、従業員のモチベーションが向上することでこれまでよりも高い労働生産性が期待できます。

【 利益の増大 】
業務の効率化により削減できた時間的コストや人員リソースを別の業務や新たなビジネス展開に向けることで利益の増大が期待できます。

業務効率化の課題

【 実施した手法のミスマッチ 】
業務効率化を進めることで生じる課題として、実施した手法が業務に合わないなどのミスマッチが挙げられます。業務効率化のために導入したツールやシステムが自社の業務・作業に合っていない場合、業務が煩雑になり余計な手間やコストがかかるなど、かえって悪影響を与える恐れがあります。そのため、あまり効率化にこだわり過ぎず自社に合った手法で実施する必要があります。

パソコンを見つめ悩んでいる女性

業務効率化を進めるための手順

業務効率化を進めるにあたり現状の把握や見直しをする必要があります。次に、業務効率化を進めるための手順についてご紹介します。

Step.1 現状の把握・改善箇所の洗い出し

現在、どのような業務があるのか・どこの部署で作業しているのか・どのくらいの人員や行程日数が必要か・どのくらいの頻度で業務が発生しているのか・作業に使用しているツールや必要なスキルなど、現状の業務をすべて書き出して見える化させましょう。業務を見える化・把握することで、不要な工程や重複している工程が見えてくるなど、業務ごとに具体的な改善箇所を洗い出すことができます。

Step.2 改善箇所の優先順位を決める

改善箇所を一斉に着手すると全体の業務が大きく改変されるため、現場の混乱やマンパワーの不足・残業時間が増加する恐れがあります。また、新たに複数のマニュアルを作成する・システムを整備する必要があり、時間や手間がかかります。そのため、優先度の高い改善箇所から段階的に取り組みましょう。また、改善することで複数の業務効率化が見込める箇所を優先的に改善させましょう。

Step.3 業務効率化の手法を決める

業務効率化の手法は、ツールやシステムを利用する方法・外部委託する方法・専門家のコンサルティングを受ける方法・工夫のみで効率化を目指す方法など、さまざまです。また、作業工程を見直して順番を変更するだけでも工数を削減できるケースもあります。改善箇所ごとにどのような手法が合っているか検討し、いつから取り組むかスケジュールを立てましょう。

Step.4 実施後の効果検証を行う

業務効率化の手法を一定期間実施した後に効果検証を行い、PDCAを回すことが重要です。実施したことでどのくらい効果があったのか・改善箇所に適した手法だったかなど、効果の有無について検証することで今後も続行するか・改善する必要があるのかという次の行動に繋げることができます。また、効果検証を行うにあたり、事前に効果を測る評価指数を定めた目標「KPI」を立てておきましょう。

社内で打ち合わせ

業務効率化に活用できるツール・サービス

次に、業務効率化に活用できるツールやサービスについてご紹介します。

ITツールを導入する(紙作業)

請求業務など紙作業が多い業務や資料・契約書・書類を紙で管理している場合は、クラウド型などのITツールを導入し、電子化する方法がおすすめです。期待できる効果として、たとえば請求業務を電子化すると契約書の印刷代や印紙税、書類作成・製本・郵送などにかかる人件費の削減や契約締結からサービス提供までの期間を大幅に圧縮することができます。また、請求書を作成する際の入力ミスや計算ミス、封入ミスなど紙の請求業務に起こりやすいミスを防ぐこともできます。

ITツールを導入する(コミュニケーション)

社内でのコミュニケーションを効率的かつ綿密に取れるツールがあると業務をより円滑に進めることができます。期待できる効果として、たとえばビジネスチャットツールを導入するとメールよりも簡単に情報共有ができる・コミュニケーションが活性化しやすくなる・リアルタイムでやり取りできるため時間短縮・生産性の向上が見込めます。また、情報伝達の抜け漏れを防止することもできます。

アウトソーシングを行う

生産性には直結していないものの日々必ず作業する必要のあるノンコア業務や自社で行う必要がない業務をアウトソーシングする方法です。業務の中には単純作業であるものの誰かがやらないといけない必要な仕事が多数存在します。単純なデータ入力作業やコールセンター・ヘルプデスク業務などを外部の受託会社に代行してもらうことで自社の重要度が高いコア業務に専念することができます。

RPAを導入する

RPAとはPC上で行う業務をロボットで自動化するテクノロジーのことで、PCやクラウド上で動くソフトウェアです。ルールやプロセスが固定された定型的かつ繰り返しの作業に適用可能です。

機能を利用する

すぐに始められる時間短縮のテクニックとしてMicrosoft IMEユーザー辞書ツールやショートカットキーなどPC内の機能を利用する方法です。たとえば、よく使う文章や言い回し、変換しづらい漢字・人名はあらかじめIMEユーザー辞書ツールに単語登録しておくと入力作業を短縮することができます。また、よく利用するフォルダはショートカットキーに登録しておくと簡単にフォルダ移動することができます。

IME単語登録のやり方
ショートカットキーのやり方

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業務効率化を成功させるためのポイント

最後に、ツールやサービスを活用したうえで業務効率化を成功させるためのポイントについてご紹介します。

見える化

業務効率化を成功させるためには現状の把握は必要不可欠です。各業務の作業工程に対して『誰が』『いつ』『どの工程に対して』『どのくらいの作業時間をかけている』のかを見える化することで、担当している従業員の作業量・作業時間の平均値を割り出すことができます。また、改善・取り組むべき課題をさらに明確に把握し、作業工程や作業時間を見直すこともできます。さらに「1ヵ月の一人当たりの残業時間を何時間以内に抑える」「事前に資料を配布・質問を受け付けるなどして会議時間を何分短縮させる」など、目標を数値化・見える化させることで改善度合いを明確にすることができます。

フレームワークを活用する

フレームワークとは共通して用いることのできる意思決定・思考決定・分析・問題解決・戦略立案などの手順に沿って整理していくための枠組みのことです。たとえば、ECRS(イクルス)というフレームワークは「排除(Eliminate):不要な業務や利益率の低い業務をなくすこと」「結合(Combine):重複・類似した業務を一本化すること」「交換(Rearrange):担当者・担当部署・使用機材・業務プロセスの順序などを変更すること」「簡素化(Simplify):ツールなどを活用し複雑な業務を簡単にできるようにすること」の4つの原則で構成されており、活用することで業務全体がシンプルに整理されるため必要な業務だけを残すことができます。

うまく活用できないものは継続しない

働き方や業務効率化の課題は企業によって異なります。そのため試験的導入期間を設け、その中で導入したツールやサービスがうまく活用できない・実践した方法では課題が改善されない場合は自社の業務改善に合わない方法だと割り切り、施策を中止する・改善案を考えるなどの決断も重要です。また、従業員にしっかりと経過報告をもらい、業務上にミスがなかったか・どこがいかなかったのかをヒアリングすることで次の業務改善に生かすことができます。

作業工程の見直し

作業工程の見直しを行うことで業務効率化が見込めます。たとえば、複数人で分業化している業務を一つにまとめることで、工程を引き継ぐ際に発生する「待ち時間」や工程内容の「確認時間」を短縮することができます。一方、1人が担う業務負担が大きい場合は複数人で分業化することで集中力やモチベーションアップが期待できます。

タスクとスケジュールの管理

タスク管理することで取り組むべき作業や優先順位が明確化されるため業務効率化が見込めます。また、タスク管理ツールなどを利用することで従業員一人一人が抱えているタスクが可視化・共有化されるため、タスクの作業漏れを防ぐことができます。各業務工程の目標完了日・優先順位を決めた上でTODOリストを作成し、スケジュールを管理しましょう。

PDCAの図

まとめ

以上、業務を効率的に進めるために押さえておきたいポイントや方法、業務効率化ツールの選び方などについてご紹介しました。

ー 業務効率化とは
ー 業務効率化のメリットと課題

ー 業務効率化を進めるための手順
― 業務効率化に活用できるツール・サービス
― 業務効率化を成功させるためのポイント

業務効率化によってコスト削減・生産性の向上・従業員のワークライフバランスの改善やモチベーションアップを実現することができます。しかし、企業が持つ課題や目標、どのツールやサービスが自社の働き方に合うかは企業によって異なります。そのため、さまざまな業務効率化の方法をトライアル&エラーを繰り返しながら見極めることが重要です。手法を見極める際に無料版のツールやトライアルを実施し、実際に操作することで操作性や導入後の成果が見込めるかどうかを検証する方法もおすすめです。また、従業員からの報告や意見もしっかり反映させ、社内全体で満足度の高い業務効率化を目指しましょう。

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