マイクロソフトを装ったメールなど、有名なブランドやサービスになりすましたフィッシングメールの被害が後を絶ちません。「警告!!マイクロソフトのプロダクトキーが不正コピーされている恐れがあります。」「Microsoftアカウントの不審なサインイン」といった緊急性の高いメールが届くと、『すぐに設定変更をしなければ!』と慌ててしまいがちです。しかし、フィッシングメールはこのような心理を利用する手口のため、落ち着いて判断・行動することが重要です。
本記事では、マイクロソフトを装ったフィッシングメールの手口や事例、本物と偽物を見分けるための方法について詳しく解説します。
まずは、フィッシングメールがどのような手口のサイバー攻撃なのか、そして近年の被害状況について解説します。
フィッシングメールとは、実在する企業やサービスになりすましてメールを送りつけ、受信者を騙す手口のことです。「不審なサインインが検出されました」「支払い情報を更新してください」「今すぐアカウントを確認してください」といった緊急性の高い文言を使って受信者の不安を引き出し、メールに記載されたリンクから偽サイトへ誘導します。そして、入力されたアカウント情報(IDやパスワード)、クレジットカード情報などを窃取し、不正利用します。
近年では、生成AIの活用により精巧な日本語のメールを大量に作成できるようになったことや、「日本語の不自然さ」で見抜くことが難しくなっている点が現在のフィッシングメールの大きな特徴と言えます。

2025年12月にフィッシング対策協議会が公表した「2025/11 フィッシング報告状況」によると、2025年11月に同協議会へ寄せられたフィッシングの報告件数は197,228件でした。これは前月の225,796件から28,568件減少しています。
一方で、11月に報告されたフィッシングサイトのURL件数(重複なし)は、前月より4,384件増加し、52,917件にのぼりました。このことから、フィッシングが依然としてサイバー攻撃の手口として悪用され続けていることが分かります。
出典:フィッシング対策協議会「2025/11フィッシング報告状況」
次に、実際にマイクロソフトを装って配信されたフィッシングメールの事例をご紹介します。こうした緊急性の高い文言が含まれているメールが届いたらフィッシングメールの可能性を疑い、慎重に対応してください。

【 注意ポイント 】
① 差出人が公式メールアドレスではない
一見「microsoft」が含まれているため正規メールアドレスに見えますが、マイクロソフトが公表している公式ドメインとは異なります。
② 即時対応を促してくる
件名や本文に「警告!!」「直ちに検証作業をしてください」など緊急性の高い文言を盛り込み、受信者を急がせて冷静な判断を妨げます。
③「今すぐ認証」のボタンで偽サイトへ誘導する
本文に設置されているボタンをクリックさせることで、偽サイトに入力したアカウント情報やクレジットカード情報を窃取します。
④ 日本語の不自然さ・誤用
・ソフトウェアのライセンスや認証の期限について「授権」といった表現は使いません。主に「ライセンスの有効期限」や「認証の期限」などが用いられます。
・「お使いになっている」「終了されてしまう可能性があります」など、全体的に回りくどい表現をしています。

【 注意ポイント 】
① 差出人が公式のメールアドレスではない
一見「マイクロソフトチーム」から送られているように見えますが、マイクロソフトが公表している公式ドメインとは異なります。
② 即時対応を促してくる
「セキュリティに関する警告!!」「検証作業が行われない場合は、プロダクトキーの授権状態がまもなく終わります」など緊急性の高い文言を盛り込み、受信者を急がせて冷静な判断を妨げます。
③「今すぐ認証」のボタンで偽サイトへ誘導する
「今すぐ認証」のボタンより偽サイトに誘導し、あらゆる情報を窃取します。
④ 日本語の不自然さ・誤用
「授権」や「不振の動き」など、使われない表現や不自然な表現が混じっています。

【 注意ポイント 】
① 日本語の不自然さ
・「不審の動きがあります」「あなたの操作なのか」など、不自然な表現が混じっています。
・「お客様」と「あなた」が混在していて、文体が統一されていません。
②「今すぐ認証」のボタンで偽サイトへ誘導する
「今すぐ認証」のボタンより偽サイトに誘導し、あらゆる情報を窃取します。
参照元:マイクロソフト「マイクロソフトを装った不審メールの配信について」
次に、マイクロソフトを装ったフィッシングメールと本物のメールの見分け方についてご紹介します。
近年ではフィッシングメールの精度が高くなり、以前のように差出人や日本語の不自然さだけでは判別するのが難しくなっています。以下のポイントを確認して、より慎重に判断してください。
マイクロソフトから送られたメールが本物かどうかを見分ける方法のひとつに「送信者のドメイン確認」があります。
マイクロソフトでは、公式サポートサイト上でメール送信時に使用する正規ドメインを公開しています。以下の公式ドメインと送信元アドレスのドメインが一致しているかを必ず確認しましょう。
ただし、攻撃者は「I(アイ)」を「1(数字の1)」に、「o(オー)」を「0(ゼロ)」に置き換えるなど、よく似た文字がすり替える手口を使うことがあるため、細部まで注意深く確認してください。
【 公式ドメイン】
・@microsoft.com
・@microsoftsupport.com
・@mail.support.microsoft.com
件名や本文に「重要」「警告」「直ちに」などの文言が含まれている場合は注意が必要です。フィッシングメールでは「不審なサインインが検出されました」といったメッセ―ジで受信者を焦らせ、冷静な判断ができないよう仕向けるケースが多いです。その結果、メール内のボタンやURLをクリックしてしまい、被害に遭う恐れがあります。
たとえ本物のメールであったとしても、メール内のURLやボタンは使わず、必ず公式サイトから直接ログインして状況を確認するようにしましょう。
怪しいメール本文や送信元メールアドレスをインターネット上で検索すると、同様のメッセージやドメインに関する情報が見つかる場合があります。また、マイクロソフトの公式サイトにも注意喚起が掲載されていることもあるため、少しでも違和感を覚えたら類似ケースの有無を調べましょう。

最後に、マイクロソフトを装ったものを含むフィッシングメールの被害を防ぐための対策について解説します。
利用しているサービスには、必ず多要素認証(MFA)を設定しましょう。多要素認証とは、ログイン時にID・パスワードに加えて、ワンタイムコードや顔認証などの追加要素を組み合わせる仕組みのことで、不正アクセスされるリスクを大幅に減らすことができます。
<多要素認証の3つの要素>
① 知識情報 … ユーザーが知っているもの(例:ID、パスワード、秘密の質問など)
② 所持情報 … ユーザーが持っているもの(例:ICカード、SMSコード、スマホの認証アプリなど)
③ 生体情報 … ユーザ―自身の身体情報(例:顔認証、指紋など)
フィッシングメールの代表的な手口は、メール内のURLやボタンから偽サイトに誘導し、受信者が入力したログイン情報やクレジットカード情報などを盗み取るというものです。そのため、メール内のURLやボタンはクリックせず、必ず公式サイトに直接アクセスするよう徹底しましょう。
また、メールに添付されたファイルにマルウェアが仕込まれている危険性もあるため、不審な添付ファイルは開かないようにしてください。
ふだん届かないような内容のメールが届いた場合は、たとえ利用中のサービスからのメールに見えても、まずは疑う姿勢を持つことが大切です。『公式サイトから直接ログインし、パスワードを変更した上で状況確認する』など、落ち着いて対応するよう心がけましょう。
偽サイトや危険なリンクを検出・ブロックできるウイルス対策ソフトの導入に加え、フィッシングメールを自動的に振り分けるメールセキュリティ対策を併用することで被害を未然に防ぐ効果が高まります。
万が一、偽サイトにログイン情報やクレジットカード情報を入力してしまった場合は、速やかに公式サイトからログイン・パスワードを変更したうえで、クレジットカード会社へ連絡し利用停止の措置を講じてください。

以上、マイクロソフトを装ったフィッシングメールの手口や事例、本物と偽物を見分けるための方法について詳しく解説しました。
― フィッシングメールとは
― マイクロソフト|フィッシングメールの事例
― マイクロソフト|偽物と本物のメール見分け方
― マイクロソフト|フィッシングメールの被害に遭わないための対策
マイクロソフトを装ったフィッシングメールは年々巧妙化していますが、手口や特徴を理解し、適切な対策を講じることで被害のリスクを最小限に抑えることが可能です。また、セキュリティ対策ソフトやメールセキュリティを導入することで、人為的な判断だけでは防ぎきれない脅威も効果的にブロックできます。
ソニックスでは、最新のセキュリティソリューションの提供から既存環境の見直しまで幅広く対応しています。自社のセキュリティ体制を強化したい企業さまは、ぜひこの機会にソニックスへご相談ください。