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【ひとり情シスの実態とは】中小企業が直面するリスクと課題解決策

2025.08.19

憔悴しているビジネスマン

中小企業の中には、「社内にIT担当が一人しかいない」「通常業務のかたわらでパソコンやネットワークのトラブル対応を担っている」といった状況に置かれている企業も少なくありません。社内システムやネットワークの管理、IT機器の運用、セキュリティ対策、ヘルプデスク業務など、企業のIT基盤を支える情シス(情報システム部門)は、本来重要な役割を担っています。ところが近年、人材不足が深刻化し、その象徴として『ひとり情シス』という言葉が注目されるようになりました。

今回は、ひとり情シスの実態や中小企業が直面するリスク、課題解決策について徹底解説します。

まず、中小企業でもよく見られる「ひとり情シス」とは、どのような状態なのかを解説します。

ひとり情シスとは、組織全体の情報システム部門の業務をたった1人、もしくは2~3人という極めて少ない人数で遂行している状態のことを指します。本来、情報システム部は企業のIT基盤を構築・運用・管理する重要な役割を担っているため、ITの専門知識やスキルがある複数名の社員でチームを組み、業務を遂行するなど、リソースを割くべき部門です。
しかし、現状では十分なIT知識やスキルがないまま情報システム部を任され、1人で業務を遂行している情シスが増加しています。

時間に追われているイメージ画像

次に、「ひとり情シス」が生まれる背景について解説します。

経営陣のIT認識が不足している

情シスの業務は、社内システムやネットワークの管理・IT機器の運用・セキュリティ対策・ヘルプデスク業務など、多岐にわたります。また、近年ではIT技術の進化により、さらに業務が高度化・複雑化しています。
しかし、事業運用を行ううえで重要な役割を担っているにも関わらず、直接的に利益を生み出す業務でないことから経営陣に重要性を見過ごされやすく、「1人で対処できる業務」などの誤った認識をされているケースがあります。

コスト削減

近年、国内でDX化の動きが加速しています。しかし、規模の小さい中小企業ではIT関連への予算やリソースが限られているため、IT関連の業務を一人に集約化することで人件費や育成費などのコストを抑えてDX化を進めようとする動きが見受けられています。

IT人材が不足している

テレワークの普及やDXの推進による影響で、近年、益々IT知識やスキルを持つ人材が求められるようになっています。しかし、IPA(情報処理推進機構)の調査によると事業戦略上必要な”IT人材の量”の過不足に対して「大いに不足している」と回答したIT企業は30.2%、「やや不足している」と回答したIT企業は59.7%であるなど、多くの企業でIT人材が不足していると感じている状況であることが判明しました。
出典元:IPA「デジタル事態のスキル変革等に関する調査(2021年度)」

事業戦略上必要なIT人材の「量」の過不足

さらに、経済産業省の調査では、少子高齢化により国内の人口が減少していることから、2019年をピークにIT関連産業への入職者は退職者を下回るなど、IT関連産業の人口はさらに減少に向かうことが予想されています。
出典元:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」

今後のIT人材の供給予測

・2018年…923,094人  ・2019年…923,273人  ・2020年…923,002人  ・2021年…919,924人
・2022年…916,447人  ・2023年…912,370人  ・2024年…907,878人  ・2025年…902,789人
・2026年…893,863人  ・2027年…884,368人  ・2028年…875,018人  ・2029年…865,744人
・2030年…856,845人

次に、「ひとり情シス」体制の会社は、どのようなリスクを抱えているのか解説します。

担当者が定着しづらい

ひとり情シスは、IT基盤の構築・運用・管理や障害対応など、1人で抱える業務量が多いです。そのため、国内のIT人材が不足する中で情シス担当者を採用・確保できたとしても、業務負荷に耐えきれず退職してしまうなど、担当者が定着しづらいことも問題となっています。

属人化する可能性がある

ひとり情シスは、特定の担当者しか情シス業務を把握・対応できないなど、情シス担当者の知識やスキルに依存しすぎている、属人化した状態になります。このような状況の中、情シス担当者が急遽不在になる・突然退職したタイミングでサーバーなどにトラブルが発生した場合、対応ができずに企業の業務が停滞してしまうリスクが高まります。

トラブルに気づきにくい

ひとり情シスの場合、1人で社内システムやネットワークの管理・IT機器の運用・セキュリティ対策・ヘルプデスク業務などの複数の業務を行います。常に業務や時間に追われているため、不具合や脆弱性をすぐに発見できず、不正アクセス・ウイルス感染するリスクや被害が拡大するリスクが高まります。

最新知識を身につける機会が少ない

ひとり情シスの場合、業務負担が多く、常に社内対応に追われている状態のため、最新のシステムや技術を習得する時間がありません。その結果、情シスの知識やスキルがアップデートされず、会社自体の進化も止まる・十分なセキュリティ対策が取れていない脆弱性のある状況に陥ります。

追い込まれたビジネスマン

最後に、中小企業が直面する「ひとり情シス」の課題解決策について解説します。

情シス担当者の採用・育成

IT知識やスキルを持つ人材を新たに雇用し、情シス部の担当者を増やすことで、情シスが抱える業務不可を軽減させることができます。しかし、国内でIT人材が不足している中、適切な知識やスキルを持つ人材を確保することが難しくなっているのが現状です。
そのため、ITスキルのある社員に対して社内研修を行う・外部のIT人材教育プログラムやセミナーを活用するなどの方法で人材育成を行い、情シス部の業務を複数人で分担できる体制を整えることで、情シス担当者の業務負担が大きく低減されます。

業務効率化ツールの導入

RPAツールといったITツールやチャットツールといったコミュニケーションツールを導入することで、情シスが抱える業務負荷を軽減させることができます。RPAツールを活用することで、自動で指定したデータを抽出・分析することが可能になるため、単純な定型業務から解放されます。
また、チャットツールを活用することで、社内からのシステムの操作方法やエラー時の対応方法などに関する問い合わせに対してチャットボット(会話してくれるロボット)が一時対応してくれるため、問い合わせ件数が減り、ヘルプデスク業務の負担を軽減することができます。

アウトソーシングサービスの活用

情報システムやIT機器の運用、ヘルプデスクなどの業務を代行してくれるアウトソーシングサービスを活用する方法があります。アウトソーシングサービスを利用することで、新たな人材採用や人材育成をする手間やコスト、業務効率化ツールを選定する手間を省くことができます。

近年では、IT業務のアウトソーシングサービスの需要が高まり、代行可能な業務の範囲も増えています。また、社内システムやネットワークの管理・IT機器の運用・保守対応・システム開発・ヘルプデスク対応などの情シスの業務の中からピンポイントで業務をアウトソーシングすることが可能です。
そのため、情シス担当者の業務負担の軽減が期待できるだけでなく、最小限にコストを抑えたうえでアウトソーシングサービスを利用することが可能です。

従業員のイメージ画像

以上、ひとり情シスの実態や中小企業が直面するリスク、課題解決策について徹底解説しました。

― 中小企業にも多い「ひとり情シス」とは
「ひとり情シス」が生まれる背景
「ひとり情シス」体制のリスク
― 中小企業における「ひとり情シス」の課題解決策

こちらの記事では、多くの中小企業が抱えてる「ひとり情シス」のリスクや課題策について解説しましたが、企業によってはIT関連業務やトラブルが発生した際に都度、IT知識を持つ社員が兼務して対応する・社内のIT関連業務はすべて外部に依頼するなど、組織内に情シス担当者が1人もいない「ゼロ情シス」の状態であるケースもあります。
冒頭にも記載したように、情シスは企業のIT基盤を構築・運用・管理している重要な役割を担っています。社内の情シス体制が整っていない状態は、対応遅延・セキュリティリスクの増大・システム障害時の事業継続困難などさまざまなリスクが潜在しています。

ソニックスでは、社内の情シス業務に課題を抱えてる中小企業様に向けた、PCサポートやネットワーク構築、サーバー保守、ヘルプデスク業務など、幅広い業務を代行するさまざまな情シスサポートのプランをご用意しています。
「自社の情シス体制に不安がある」「どこまで代行してもらえるのか一度話を聞いてみたい」などお困り事やご相談のある中小企業様は、お気軽にソニックスまでお問い合わせください。

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